50‐100円の引き出し

2017年6月1日  DEFC事務局 沢田誠二

久し振りにラオスの話題、二年以上前にここで紹介したひげチョビたちがやっている奨学金です。延べ人数は110名を越えました。この内30名が終了、大学や専門学校へ進んでいる学生もかなりいます。何人かは知らせてくれました。田舎の高校生へ3年間、半年ごと¥6,000円のちいさな提供ですが結果が出てきています。問題も少し。

十年前と比べラオスは大きく変わりました。教育もその一つです。田舎や山岳僻村でも子どもたちは学校へ行くようになり、半数以上が中学校へ進んでいます。教科書は不十分ですが行き渡ってきています。先生の教え方も変わり低い目線で教えるようになりました。でも、高校へ進む学生はまだ少なく、ところに依りますが半数程度です。この年齢になると家事や農業の大切な働き手です。大部分は単純作業ですが出稼ぎで収入も得られます。進学しても結婚でやめてしまう例も少なくありません。高校がまだ未だ少ないことも理由でしょう。

学校が遠くにあるため毎日の通学が出来ないので、遠隔地の学生は学校の近くに居留します。親戚や知人を頼って下宿したり、二段ベッドの学生寮、竹や草葺の小屋に住んでいます。寮や小屋住まいでは自炊が当たり前で、カップラーメンはごちそうです。週末や休日は農業の手伝いや家畜の世話のために実家に帰ります。中には学期中に1、2度しか帰らない学生もいます。遠いし帰る金もないからです。片親や両親とも死別した学生、7-8人の兄弟姉妹の中で本人だけ高校へ来ている場合も少なくありません。奨学金はこのような状態で頑張っている学生を選んでいます。

送金は銀行振り込み、直接に本人の口座へ届けます。事情があって学生たちの通帳を調べました。首都から送っているのですが、その日に届かないで数日後から一週間ほどして届く場合があることが分かりました。最近の例では3か月たって届きました。どういうわけか分からないのですが、遠隔の山岳地にあるATMの場合、現金輸送が間に合わないのかもしれません。

心待ちにしている送金が届くと、学生たちはすぐに全額を引き出しています。幾人かは少しずつ、日本円にして¥50-100円単位で引き出していました。いずれも大切に使っているのです。学用品やどうしても必要と思える数学や英語の教科書を買ったり、補習してくれる先生への謝金、カップラーメンなどの食品、親元へ帰るためのバスや渡し船代に使っているようです。多分実家の生活、兄弟の学用品などにもなっていることでしょう。

生活と勉強の様子を知るために、手紙と写真を送金前に送ることを条件にしています。始めは大変そうですが卒業近くになるとまとまりの良い手紙が届くようになります。送られた写真で見るb彼らの成長はとても嬉しいものです。

最近はスマホで送ってくる学生もいます。早くて便利でよいのですが、問い合わせや相談事もあって担当者泣かせになってきています。資金はすべて支援してくれる人からいただいています。ありがたいことです。

田舎の中高生たちと住んでいる小屋(2016年2月)

田舎の中高生たちと住んでいる小屋(2016年2月)